「ラテン」ミニ特集

 Buena Vista Social Club
アルバム名   Buena Vista Social Club
アーティスト   Buena Vista Social Club
製作年   1997
レーベル   World Circuit
レコード番号   WPCR-5594

 今、ウィム・ヴェンダースによるドキュメンタリー映画が公開され、人気を博しているブエナ・ヴィスタ・ソシアル・クラブのアルバム。少なくとも東京の大きなレコード屋さんではかなり売れているようです。この流行で、日本にもラテン音楽が定着するか、ちょっと見守っていきたいもんです。

 ブエナ・ヴィスタ・ソシアル・クラブは、キューバの一流ミュージシャンが集まってできたバンドです。社会主義国のキューバは、アメリカを中心とした「極度に商業化された音楽界」とは隔絶された場所にいたので、彼らの演奏も今まで日の目を見ることはなかったんですが、ギタリストのライ・クーダーがこれを「発見」し、一緒にCDを作ったんだそうです。そしてクーダーの友人であるヴェンダースが撮影したのが現在公開中の映画だそうです。私はまだ観ていないんですが、観た友達によるとすっごい面白いらしく、とても期待しています。

 ちなみにバンドメンバーは70歳代とか80歳代の人が多いんですが、その演奏レベルの高さには度肝を抜かれます。ダンサブルな曲も、スローな曲も、どれもアンサンブルが美しく、また素朴な歌詞が心に響きます。キューバはもともと私の政治亡命希望先なんであるが、このアルバムを聴いたらますます行きたくなりました。ちくしょー、ホントに亡命しちゃいたいなあ。



 Five Tango Sensations / Kronos & Piazzolla
アルバム名   Five Tango Sensations
アーティスト   Kronos Quartet and Astor Piazzolla
製作年   1991
レーベル   Nonesuch
レコード番号   WPCS-5072

 バンドネオンのアストル・ピアソラと弦楽器4人組のクロノス・カルテットが一緒に作ったアルバム。ピアソラがクロノスのために作曲した5曲編成の組曲で、「怒り」「愛」「不安」「目覚め」「恐怖」というタイトルが付けられています。

 ピアソラもクロノスもこのサイトで既に紹介しているんですが、ちょっとだけ説明すると、ピアソラはタンゴの世界で慣例を無視した曲を書き、革新的な演奏をしたバンドネオン奏者で、クロノスもジミヘンの「紫のけむり」を弦楽4重奏として演奏しちゃうような、ジャンルを無視したとんがった演奏活動をしているグループです。どちらもその世界では異端だろうと思うんですが、彼らが出会って生まれた音楽は「異端」ならではの、とても新鮮な美しさに溢れています。

 でも彼らのコラボレーションを聴いていると、タンゴでありクラシックであるにも関わらず、さまざまな音楽の影響が感じられます。こういうジャンルを無視した素晴らしい演奏を聴くと「ジャズはやっぱり4ビートじゃないと」とか「フュージョン? ダメだよ、あんなの」なんて言っている、ジャズのカテゴライズに一生懸命な「マニア」と呼ばれる人達にはなりたくないな、と思ったりしました。いいものはいいと、自分の感性に自信を持って言えるようになりたいもんだ、と思いました。



 Alina / Arvo Part
アルバム名   Alina
アーティスト   Arvo Part
製作年   1999
レーベル   ECM
レコード番号   ECM 1591

 現代音楽の作曲家「Arvo Part」(すいません、読み方知りません)のアルバムで、今回唯一の静かめな曲。例によってどんな人なのか全然知らないんですが、タワーレコードの現代音楽のところに「静寂・静寂・そして静寂」とかいう言葉で紹介されていたのを見て、そういうのが聴きたい気分だったので買ってみました

 このアルバムには5曲収録されているんですが、実質的には「Spiegel Im Spiegel」と「Fur Alina」という2曲しか入っていません。1・3・5曲目が「Spiegel....」で2・4曲目が「Fur....」です。でもジャズでいうテイク1、テイク2みたいな感じでテンポとか微妙に違うし、飽きることはありません。聴いた感想はというと、確かに静寂感は感じられます。でもそれだけじゃないんですよねぇ。心の奥の方で何かが揺さぶられているような、でも聴けば聴くほど穏やかな気分になっていく、うまく言えないんですがそういったことを思ったりました。

 そして私がそう感じたのはあながち間違っていないようです。というのも、このアルバムのライナーに「私の音楽は全ての色を含んだ白い光に似ている。その光はプリズムによって自分の持っている色を表すことができる。私の音楽にとって、そのプリズムは聴衆の魂だ」(筆者超訳)という彼の言葉が紹介されていたからです。う〜ん、深いぜ。ちなみに演奏はピアノとバイオリン(またはチェロ)のみとなってます。人生について熟考したい人に、このアルバムはオススメです。