「Soul Jazz」特集

 Alligator Bogaloo / Lou Donaldson
アルバム名   Alligator Bogaloo
アーティスト   Lou Donaldson
製作年   1967
レーベル   Blue Note
レコード番号   CDP 7 84263 2(輸入盤)

 ソウルフルなジャズは『ノリ重視』ということがあってか、評論家の人達にはなかなか正当に評価してもらえていません(←あくまで私の意見ですよ)。したがって『ジャズ名盤100選』みたいな本には絶対に登場することがないんですが、実はポップスやロックからジャズに入った初心者にとってはなかなか聴きやすいものが多いです。今回はそういうアルバムの中から2枚選んでみました。

 まずはアルトサックス奏者のルー・ドナルドソンを取り上げてみます。彼はかなり成功したサックス奏者で私も大好きです。で、今彼の経歴を書こうと思っていつも参考にしている本を何冊か見たんですが........ない。どこにも彼の紹介はありませんでした。くっそー、いきなりかよ。ルー・ドナルドソンさえ紹介していないなんて、ジャズを取り巻くジャーナリズムというのは随分偏っているなあ、と愚痴をこぼしながら先に進みます。

 というわけで彼の経歴については何も書けないんですが、いいんですそんな小さいことはどうでも。問題なのは彼の音楽なのです。で、このアルバム。これは大ヒット曲「アリゲーター・ブーガルー」が収録されたアルバムで、最初からオルガン&ギターの『濃いぃ世界』が展開されています。この曲を含め、このアルバムには彼の自作の曲が3曲収録されていますが、どれもねちっこくて真っ黒な音です。素晴らしいです。ジャケット写真の何とも言えない格好良さも含め、初心者に自信を持ってオススメできる一枚です。



 A New Perspective / Donald Byrd
アルバム名   A New Perspective
アーティスト   Donald Byrd
製作年   1963
レーベル   Blue Note
レコード番号   7243 4 99006 2 2(輸入盤)

 ルー・ドナルドソンと並び、正当に評価されてないなあ、と私が常々感じているアーティストにドナルド・バードがいます。確かにフュージョンに寄りすぎちゃった70年代後半以降は評価が難しいところではありますが、彼の60年代のアルバムはいいものが多いです。今回はその中でもジャケット写真がカッコいいこのアルバムを選んでみました。

 ドナルド・バードはクリフォード・ブラウン直系のトランペッターです(クリフォード・ブラウンについてはこちらを参照)。60年代に入り、ジャズの世界がフリージャズやら新主流派といったアート色の濃い方向へ流れていく中で彼はバックにコーラスを入れたりポップなリズムを取り入れたりして、より大衆にアピールする方向を選びました。これが少なくとも60年代は彼の芸術センスとマッチして、多くの名作が生まれたのでした。

 バックにゴスペルくさいコーラスを大々的に取り入れたこのアルバムは、彼の吹くブルースっぽいフレーズと絡み、黒っぽい魅力に溢れた非常に楽しいものになってます。特にいいのがバイブラフォンの響きですね。これを演奏しているドナルド・ベストという人については全然知りませんが、ケニー・バレルのギター、ハービー・ハンコックのピアノ、ハンク・モブレーのサックスとどこを斬っても真っ黒なこのアルバムは、黒人音楽の持つパワーをまざまざと見せつけてくれる名盤です。