Scoop / Cornelius Claudio Kreusch
アルバム名   Scoop
アーティスト   C. C. Kreusch
製作年   1998
レーベル   Act
レコード番号   9255-2(輸入盤)

 アフリカ・マリ出身の偉大なボーカリスト、サリフ・ケイタや、カメルーン出身のリチャード・ボナ(来月ブルーノートでナベサダと共演決定!)をはじめとする数々のミュージシャンが参加しているという、ワールドミュージック色が極めて強いヨーロッパ発のジャズ・アルバム。

 リーダーでピアノを担当しているコーネリアスさんはオランダかどこかその辺の出身だそうで、かなり洗練されたピアノを弾いているんですが、バックで流れる演奏は「Black Mud Sound」(黒い泥の音楽)と名乗っている通りの、アフリカっぽい泥臭さを持っています。その「洗練」と「泥臭さ」の交ざり具合が何とも格好良く、抜群のダンス音楽に仕上がっています。

 歌詞も「ドラムの音が聞こえる前は自然が音楽を奏でていた。風の音、水の音、火の音、これら全てが地球の音楽を作っていたんだ。エデンの園からエジプト・バビロンに至るまで、この音楽は地球の奥深く、そして俺達の魂や骨の中を流れている。(以下略)」といった何ともアフリカな内容で、とにかくかっこいいっす。泥臭い、といってもアメリカの黒人が奏でる「アーシー」な感覚とも違い、よりプリミティブな感覚が漂っています。というわけで、意外に好き嫌いがはっきり分かれる音楽ではありますが、雑食系リスナーには聴いて欲しい1枚だと思ってます。是非お試しあれ。



 Tonic / Medeski, Martin and Wood
アルバム名   Tonic
アーティスト   Medeski, Martin and Wood
製作年   2000
レーベル   Blue Note
レコード番号   7243 5 25271 2 0(輸入盤)

 このアルバム、メデスキ・マーティン・アンド・ウッド(以下MMW)の熱狂的ファンである私は、聴いた瞬間に「やっぱMMW、かっちょええわ」と驚愕・そして感嘆しましたが、普通の人はあまりそうは感じないかもしれないということをあらかじめ書いておきます。同じMMWでもこちらで紹介しているアルバムの方が全然聴きやすいので、初心者はまずこちらをお試しください。

 MMWは、ニューヨークのニッティング・ファクトリーという、とんがったジャズ系のアーティストが多数出演するクラブのリーダー的存在、という話をどこかで聞きました。それはともかくとしても、名門ブルーノートがかなり力を入れてるグループでもあり、したがって彼らの音楽は非常にとんがってはいるものの、ジャズの未来形の一つの在り方を提示していると考えています。そしてそれはいつでも新しいものを追求していかなくてはいけないジャズという音楽にとって最も大切なことであり、そういう訳でMMWは(音楽自体からはそう感じられないかもしれないけれど)世界で最もジャズ的な存在だと私は理解しています。

 これはそんな彼らのアコースティックなライブのアルバムです。今までの彼らのアルバムでは必ず電気楽器を使っていたし、最近ではDJを加えて活動していたことを考えると、逆説的ではあるけどこれまた斬新な試みだと思いました。初めてのライブアルバムがアコースティックというのも極めて彼ららしいです。ここでやっている音楽はメロディのあるフリージャズっぽい音楽で、これが彼らのルーツらしいのですが、初期の彼らのアルバムと比べると音楽的に全然進歩しているのがよくわかります。これからも彼らにはリスナーをいい意味でどんどん裏切っていって欲しいと思います。