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彼らのバンド名をそのままタイトルとしたこの「タラフ・ドゥ・ハイドゥークス」というアルバムは彼らの日本デビュー盤であり、今までヨーロッパで発売された3枚のアルバムから選りすぐりの曲を集めた作品です。彼らはルーマニアの小さな村に住むロマ(ジプシー)で、村の結婚式などのイベントのときに音楽を担当していた人達です。バイオリンやアコーディオンといった移動可能な楽器を使い、独自の発展を遂げた音楽を家族的な楽団で演奏することで、極めて民族的でありながら国際的に評価される音楽を作り上げたのでした。
このアルバムは、上で紹介した2枚と比べると「アツさ」の質がちょっと違った音楽を演奏しています。リズムはそんなに暑くないんですが、歌い方とか楽器の音色の密度とか演奏の仕方とかがとにかく濃くて、その濃さに聴いている側が圧倒されるというわけです。感覚としては、夏に重い赤ワインを飲むような暑苦しさといったらわかってもらえるでしょうか。そういう意味では冬に聴いた方がいいような気もしますが、大好きなアルバムということもあり、この機会にまとめて紹介しちまうことにしたのでした。買って聴いて「うわっ、濃いな〜」と思ったら、冬まで寝かせておくことにしましょう。きっと熟成されていい音になっていることと思います。演奏自体は恐ろしく素晴らしいものなので、時期さえ間違えなければ必ず気に入ってもらえると信じてます。
というわけで『地球に優しく家計に優しい夏の音楽セレクション』という、どこかの安っぽい通信販売にひっかけたような名前の特集を終わりにします。「電気代を節約できてもCDを買っちゃったら余計高くつくのでは?」という疑問を抱いたあなた、それは思いっ切り正解なのですが、ここではあえて無視します。CD紹介コーナーでそれは禁句なのよ。
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