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上に紹介した「ウィ・インシスト」は、多少おどろおどろしいフレーズやアビー・リンカーンの叫びとかあったとはいえ、まだ誰の耳にも音楽として受け入れてもらえるレベルのものでした。しかしその7年後に録音されたこのアルバート・アイラーのアルバムは、フリー・ジャズの名盤といわれているだけのことはあり、もうなんだかわけのわからない奇妙な音のオンパレードとなっています。
アルバート・アイラーという人は、オーネット・コールマンがフリー・ジャズというジャンルを作って以来、サックス奏者としては最もラディカルな(わかりやすくいえば最もはちゃめちゃな)演奏をした人物です。コルトレーンも晩年は(シロートには)訳の分からない演奏をしてましたが、彼の演奏はアイラーに影響を受けたものだといわれています。アイラーには「魂の歓びに始まったジャズは魂の歓びで終わるべきだと思う」という名言がありますが、これを実際に音楽で表し、最も成功しているのがこのライブ・アルバムだと思います。
アイラー兄弟の金管楽器に数多くの弦楽器が加わり、とにかく濃密な即興演奏が繰り広げられているこの作品は、たぶん普通の人の音楽の概念を根底から覆す音楽だと思います。人によってはただのノイズにしか聞こえないかもしれません。そんな作品を『初心者向け』を謳うジャズのサイトで紹介するのもいかがなものかと思いましたが、混沌としている新世紀を表現するアルバムであるというこじつけでお茶を濁しておきたいと思います。しかしこのアルバム、たまに聴くのはいいけど、今レビューを書こうと思って3回ほど連続で聴き直したらちょっと頭が痛くなってきた。あー、こりゃ絶対に初心者向けじゃないや。ということで、今回のオススメアルバムは反面教師としてご利用下さい。ひとつよろしく。
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