「(たぶん)ジャムバンド」特集

 A Go Go / John Scofield
アルバム名   A Go Go
アーティスト   John Scofield
製作年   1998
レーベル   Verve
レコード番号   314 539 979-2(輸入盤)

 今までロックやヒップホップを聴いて育ったという、アメリカ東海岸の10代を中心とする若い世代に、即興性が極めて高く・ノリのいいジャズが受けているようです。それらを総称して『ジャム・バンド』というらしいのですが、先月に引き続き、今月もこの「ジャム・バンド系ジャズ」を特集してお送りしてみます。私もそんなに詳しい訳じゃないんですが、ジャズといったらアコースティックな渋いやつ、みたいなつまらん偏見に縛られちゃうのはもったいないことだと思ったので、あえて2ヶ月連続で紹介することにしてみました。でも今までロケンロールを中心に聴いてきた人には、とっても入りやすいジャズだと思うよ、マジで。そういう意味で初心者向けといえなくもない。

 まずはギタリストのジョン・スコフィールドが2年前に発表したこのアルバムから。ジョン・スコフィールドは、ジャズの世界では中堅どころのギタリストだと思うんですが、それで今までは(個人的には)あまり面白いと思える演奏をしてこなかったんですが、最近の彼はだいぶジャム・バンド寄りの演奏をしていて、ワタシ的にはどんどん株が上昇してます。この作品は、そんな彼のジャム・バンド志向を決定づけた、メデスキ・マーティン&ウッドとの完全共作のアルバムです。

 MMWと共演しているとはいえ、このアルバムは間違いなくスコフィールド側からのアプローチによるジャム・バンド作品です。それは全曲スコフィールドのオリジナルという点からも明らかですが、MMWの音楽と比べて全体的におとなしめといった印象を受けました。MMWがとにかく大好きという私ですが、だからといってこの作品がダメということではありません。たとえていえば「ハッサクと甘夏は似ているようで別物だけどどっちもおいしい」みたいなことでしょうか。スコフィールドのファンにもMMWのファンにも、それからジャム・バンドというモノに親しみたいと考えている人にとってもオススメできる作品です。



 Layin' In The Cut / James Carter
アルバム名   Layin' In The Cut
アーティスト   James Carter
製作年   2000
レーベル   Atlantic
レコード番号   7567-83305-2(輸入盤)

 サックス奏者のジェームス・カーターは、昨年の秋(だったよな?)に2枚同時にアルバムをリリースしました。1枚はギタリストのジャンゴ・ラインハルトに捧げた作品で、これは結構メインストリームっぽいジャズのアルバムだったと記憶しています。で、もう一枚が今回紹介する「Layin' in the Cut」というアルバムで、こっちは全然毛色の違うエレクトリックな作品に仕上がっています。ジャズの雑誌なんかではどちらかといえば前者のアルバムの方が評判が良かったみたいですが、あまのじゃくな私は断然こっちのアルバムの方が気に入りましたね。当社比推定で3倍くらい良かったです。

 まずバックの楽器編成が、エレキギター×2+エレキベース+ドラムスというとてもジャズバンドのそれとは思えない編成が魅力的です。彼らが刻むリズムやらビートやらは非常に黒っぽくて、でもファンクみたいに明るく突き抜けてはいなくて、どことなくジャズっぽい雰囲気も色濃く残しています。その上を『軽い雄叫び系』とも言えるカーターのサックスが吠えまくり、その絶妙のバランスがなんともたまらないですね。夜のドライブなんかで聴いていると、自分がかっこよくなった気分になれる一枚といえます。

 しかしジャム・バンドというものの実体がわからないまま紹介するというのは、常に「これってジャム・バンドなの?」という疑問がつきまとうものですね。このアルバムも、ホントのところはジャムバンドなのかわからないんですが、なんか個人的にはそれっぽく聞こえるのでとりあえずそういうことで紹介しちまいます。「こんなジャンルわけに基準なんかない。ワシが決めたジャンルがワシの中では正解なんじゃい!」という唯我独尊的思想をモットーに今後も邁進する所存であります。苦情は一切受け付けませんので、そういうことでこれからもよろしく♪