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7月は、前半は梅雨でじめじめしているし、後半はとても暑くなるので、どんなアルバムを紹介したらいいかなあ、なんてちょっと迷いました。たぶんボサノバやラテンやフュージョンなんかを紹介すれば夏っぽくていいとは思ったのですが、あまのじゃくとしてその名を轟かす私としてはちょっとひねりを加えてみたくなり、今回は「おどろおどろしい曲が収録されているアルバム」を2つ選んでみました。これはこれで夏っぽい感じがしますよね。
まずはフリー系サックス奏者のアーチー・シェップから。シェップはたぶん私が一番好きなフリー・ジャズのミュージシャンです。その演奏は奔放で力強さに溢れていて、またそこには当時隆盛を見せていた黒人思想が色濃く反映されていて、私はその「アグレッシブな知性」とおぼしきものにとても魅力を感じているのだと思います。最近は歳を取ってバラードなんかで情感たっぷりな演奏をしているそうで、それが特に日本で人気を集めているという話を聞きましたが、個人的にはそんな軟弱なシェップは認めません。まあ私が認めようが認めまいが誰も気になどしないと思いますが。
この『ファイア・ミュージック』は彼の代表作のひとつです。特に1曲目の「ハンボーン」のパワフルさにはとにかく圧倒されますが、今回の「おどろおどろしい曲特集」で是非取り上げたいのは、マルコムXに自作の詩を捧げた3曲目と、5曲目のボサノバの名曲「イパネマの娘」の2つです。特に3曲目を暗闇で聴くとけっこうぞくぞくっとくるものがあります。突然入ってくるサックスの音とか、弱々しく響くギターの音色とか、太くて力強いベース音とか、そのどれもがとてもかっこよく、またとても気味悪くも美しいハーモニーを生み出しています。
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