“こんなのジャズじゃないっ! N.Y. Underground”特集

 Screaming Headless Torsos
アルバム名   Screaming Headless Torsos
アーティスト   Screaming Headless Torsos
製作年   1995
レーベル   Discovery
レコード番号   77019(輸入盤)

 夏です。最近やっとちょっと涼しくなりましたが、関東以西では異常に暑い日々が続きました。そんなときは、モダンジャズなんか聴く気分じゃなくなるわけで、今回は『とてもジャズとは言えないけど一応ジャズとして扱われている作品で、しかも私がかなり好きなアルバム』特集をお送りしてみます。

 まずはスクリーミング・ヘッドレス・トルソから。「叫ぶ頭のない胴体」というすごい名前(ジャケットもそんなイメージですね)のこのバンドは、例えて言うなら『ジャズファンクスラッシュロック』といった演奏を聴かせてくれるグループです。ジャンル分けするのがとにかく難しくて、またバンドのメンバーの人種もさまざまのようで、いかにもニューヨークでしか作ることが出来ないサウンド、という感じがします。

 とりあえずこのアルバムには「ブルー・イン・グリーン」というジャズの名スタンダードも収録されているのですが、これが『ヴァンパイア・ソング』という別名がついているほどで、あの曲の持つ美しさはほとんど(というか私には全然)感じられません。というよりも、同じ曲だとはタイトルを見ない限り誰も気がつかないことと思います。ただこの曲はかっこいいかと聞かれたら、これがめちゃめちゃかっこいいのです。ジャズファンを名乗りつつこの演奏をすげえかっこいいと思ってしまう私の感性に多少問題がある気がしないでもないですが、こんなブルー・イン・グリーンも存在するのだという意味で、もしレンタルCD屋で見つけたら是非借りて欲しいと思っています。リスクが著しく大きいので、買うほどではないと思うけどね。



 Naked City / John Zohn
アルバム名   Naked City
アーティスト   John Zohn
製作年   1990
レーベル   Electra Nonesuch
レコード番号   7559-79238-2(輸入盤)

 次に紹介するのは、異常に完成度の高い作品を作り続けるアーティストとして名高いジョン・ゾーンが作ったアルバムです。なおこの作品のジャケットはあまりにエグくて、私の方で自主規制してモザイクをかけています。これを見たら小さなお子さんは泣き出すだろうし、食事中の人は戻してしまうかもしれません。雑誌でこのアルバムが紹介されたときも、私の記憶ではこのジャケットではなくてジャケット裏の写真が掲載されていました。まあその写真も「うつぶせの男が頭から血を流しながら路上に倒れている。そしてその傍らには拳銃が落ちている」という強烈なものなんですけどね。

 しかし演奏の方は、そこまでエグい内容ではありません。決して普通のモダンジャズなどというつもりはありませんが(というかジョン・ゾーンがそんな音楽をやるはずもない)、「Jazz meets Rock」という基本路線にさまざまな他のジャンル(パンクとかファンクとか)が絡む、という感じですね。聴きやすい演奏とは言えないかもしれませんが、音楽的レベルは極めて高いと言わざるを得ません。

 参加メンバーは、最近は作曲しかしていない本人がサックスを担当し、ビル・フリゼルがギターを担当しています。他のミュージシャンも勉強不足の私はよく知りませんが、完璧主義者のジョン・ゾーンのおめがねにかなっただけあって、素晴らしい演奏を披露しています。そしてボーカルには日本のヤマツカアイ(漢字は知りません)が参加しています。人によってはそれだけでどういう音楽かわかってもらえるかもしれないと思いますが、とにかく変わったものが好きな人は押さえておいてもいい音楽だと思います。