Tuskegee Experiments / Don Byron
アルバム名   Tuskegee Experiments
アーティスト   Don Byron
製作年   1992
レーベル   Nonesuch
レコード番号   7559-79280-2(輸入版)

 ドン・バイロンは黒人のクラリネット奏者です。最近のジャズでクラリネット奏者というのはほとんどいないのですが、彼のプレイする音楽というのも他ではほとんど聴くことが出来ないような、オリジナルなものです。

 というのも、彼は以前(黒人でありながら)ユダヤ人の音楽を演奏するバンドに在籍していたらしく、したがって彼の作る音楽には黒人的な要素とユダヤ的な要素がうまく絡み合っているようなのです。といっても私はこのアルバムを聴いてもどの辺がユダヤっぽいのかよくわかりませんが。そちらの音楽については全然素養もないですし。でもいまどき珍しいクラリネットの音とともに聞こえてくる音楽は、静かなものから激しいものまで、その全てから「俺は一筋縄ではいかないぜ」ってな感じがしてきます。

 このアルバムでも最後にクラシックのシューマンの曲が収められていて、それまで激しかったりしたアルバムもクラリネットとピアノで静かに終わっていきます。なんかそれまでの喧噪からひっそりと終わっていくあたりが、小学校の頃の下校の音楽を思い出させました。まあそんなことはどうでもいいんですが。といっても他の曲もそんなにうるさいわけじゃないんですが、聴く度になぜか心がざわざわするような、変わったテイストを持っています。それをどう説明すればいいかわからないんですが、とりあえず「やかましくない前衛ジャズ」という事にしておきます。



 Fingerpainting / McBride, Payton, Whitfield
アルバム名   Fingerpainting
アーティスト   McBride, Payton, Whitfield
製作年   1997
レーベル   Verve
レコード番号   537 856-2(輸入版)

 これはベースのクリスチャン・マクブライド、トランペットのニコラス・ペイトン、ギターのマーク・ホイットフィールドといった3人の若手ジャズメンが組んで、ハービー・ハンコックの書いた曲ばかりを収録したアルバムです。

 クリスチャン・マクブライドは、以前このコーナーでも紹介したことがある若手No.1のベースプレイヤーです。ライブの彼は本当に素晴らしい演奏をしていました。ニコラス・ペイトンは、最新作の「Payton's Place」(似たような名前の洋服のブランドがありましたね)が高い評価を受けた、今が伸び盛りのトランペッターです。デビューは15歳、しかもその時の競演がアート・ブレイキーというのだから驚きです。マーク・ホイットフィールドというギタリストはこのアルバムを買ったときは知らなかったのですが、調べてみると私の大のお気に入りアルバムであるコートニー・パインの「Underground」などにも参加していました。このアルバムでもイカしたギターワークを見せています。というわけで、このアルバムに参加している3人は全員、私好みのノリのいいミュージシャンです。

 収録曲はハービーのデビューアルバム「Takin' Off」中の「Driftin'」からヘッドハンターズ時代やVSOP時代を経て85年の映画「ラウンド・ミッドナイト」のサントラまで、この一枚でかなりの時代を網羅しています。ハービー初心者が彼の歴史をたどるのにもいい一枚かもしれないです。いろんな種類の曲があって、作曲家としてのハービー・ハンコックの幅広さが改めてわかります。ちなみにこのサイトでもここここでハービーについて紹介しています。たいしたことは書いてありませんが、知らない人はぜひ読んでみてください。