雰囲気 ★★
(新宿) 値段 ★★★
  サービス ★★★
  演奏 ★★
  料理
  総合 ★★★

解 説

 新宿の厚生年金会館の近くにあるジャズの店。新潟に帰るという友人の送別会も兼ね、99年10月の「鈴木重子CD発売記念ライブ」を見に行ってきました。

 お店はそこそこ広く、カウンター・バーの周辺は確かにいい雰囲気なんだけど、椅子やテーブル、壁で青白く光るネオンなど、全体的には「一昔前のカラオケ屋さん」風な感じがしました。しかもちょっと安っぽい感じで、場末感たっぷり。でもお客さんは他のジャズクラブと比べて、女性が多かったです。時間が遅くなるとサラリーマン風のおっさんが増えてきたけど、最初のうちはちょっと意外な感じがしました。

 チャージは2000円からでした。他のお店に比べてだいぶ安いなあ、と思ったりもしましたが、後述の理由などにより、帰るときはそんなに安いとも思いませんでした。むしろ適正価格といった印象を受けました。

 店員さんは、ちょっとメリハリのないサービスを提供してくれて、気怠げな雰囲気を醸し出していました。決して動作がのろいとかサービスが良くないとかじゃないんだけど、なんか締まりのないサービスでしたね。イライラとかはしなかったけど、ちょっと物足りなく思いました。

 料理はなかなかおいしかったです。ピザとかオムレツとか食べたけど、どれもなかなか良かったです。値段もそんなに高くないし、食事に関しては問題ないです。しいて言えば量がちょっと足りないくらいかな。お酒も平均的にいろいろ揃えていて、値段もまあまあ普通の料金でこちらも問題ないですね。

 で、肝心の演奏はというと、鈴木重子さんのボーカルはかなり良かったです。アップテンポな曲からバラードまで、幅広く楽しむことが出来ました。MCも(大西順子に少し見習って欲しい気もするくらい)上手いし、彼女の「のほほん」とした雰囲気に包まれてなかなか楽しいひとときを過ごすことが出来ました。問題は音響関係とバックのドラムスですね。まず音響は、やりすぎアンプのせいでベースの音が割れていたこと。これはちょっと聴いてて厳しかったです。しかし一番の問題はドラムスのオヤヂ。MCでのくだらないトークもたまらなく勘弁して欲しかったけど、もっとひどいのは鈴木さんの歌が終わる頃になると、マイクを取って「いぇーい」などと合いの手を入れること。この「いぇーい」がもうめちゃくちゃかっこ悪い。というか、時代遅れ感たっぷりなんである。実際にジジイだったから仕方ない気はするのだが、曲の最後の方で彼女の歌の余韻に浸ろうとすると「いぇーい、鈴木重子、いぇーい」とかほざくので、すっごくトホホな気分になってしまうのでした。この人はこういうのをカッコいいと思ってやっているんだなあ、と思ったら、何だか化石を見ているような気分にもなりました。そして生きている化石を見るのはあまり気分が良くないもんだな、とも思いました。

 とまあ、鈴木重子さんの歌以外では特筆すべき特徴はないお店だったんだけど、ライブとは関係なしに楽しかったことがひとつありました。それはこのお店で私の隣に座ったのは、最近は新宿のタワーレコードのCMなどでもおなじみの「新宿のタイガーマスク」さんだったのでした。彼はいつもの派手な衣装に身を包み、タイガーマスクのお面をしたまま店内に入ってきて、おもむろにビールを頼みました。そしてお面をはずし、ビールをちびちび飲みながら、背筋をピンと伸ばして彼女の歌に聴き入ってました。ライブの合間には彼とちょっと話をしたんですが、この会話がまた面白くて、それだけでちょっと得した気分になりましたね。彼は鈴木さんのファンなんだそうで、毎月1回Jで行われる彼女のライブには足を運ぶことが多いそうなので、是非彼と会話をしたい人は、狙っていくのもいいかもしれません。ちなみにこの会話、とても面白かったので、近いうちにエッセイに書こうかな、とか思っています。

 というわけで、安い割にはあまりいい印象を持っていないお店なんですが、新宿のタイガーマスクに会えるかも、と思ったらまた行ってもいいかな、とか思ったりしました。それもいかがなものか、と自分でも思うけど、今度はドラムスが別の人のときに入ってみようかなあ、と漠然と考えています。