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今月に入り、西日本は相変わらず暑いようですが、関東以北では涼しい日々が続いています。8月は日本中どこもかしこも暑いということを前提に、今月は『ラテン強化月間』としてラテン音楽の名作をお届けすることにしていたのですが、涼しい地方があるってのはちょっと困ってしまいますな。でもこうなったらそういうことは一切無視して、今回は特に西日本在住の方に向けた特集ということにしてしまいましょう。
というわけで、先週のルンバに続いて選んだのが、キューバを代表するギタリストであるアルセニオ・ロドリゲスのアルバムを紹介します。アルセニオ・ロドリゲスは、1911年にキューバの田舎町で貧乏な18人兄弟の4番目として生まれます。小さい頃に事故により視力を失い、その頃から生きる手段として音楽に本格的に取り組むようになります。そして若いうちから音楽家としてのキャリアを積み、偉大なバンドリーダーとして世の中で認められるほどになります。1950年くらいまではキューバを中心に活動していたようですが、それ以降はよりよい目の治療を受けたいという本人の希望もあり、ニューヨークを拠点に活動します。もちろんニューヨークでも名声を博するのですが、その後キューバ革命があり、キューバに帰ることもなく、1970年にアメリカでなくなったそうです。
このアルバムは、ニューヨークでラテンが流行しはじめていた1960年代に録音された2枚のアルバムを1枚にまとめたものです。この作品ではキューバの代表的な音楽であるソンとかチャチャチャとかグァグァンコーとかダンソンとかを演奏しているんですが、どの曲もアルセニオ・ロドリゲスの強烈な個性が前面に表れていて、私にはどれも「アルセニオ・ロドリゲス」というジャンルの音楽のように聞こえてしまいます。しかし彼の体臭さえ感じられるほどに濃縮された音楽はキューバ発のラテン音楽以外の何者でもなく、彼(と彼のバンド)のゴージャスな演奏を聴いていると、夏にふさわしい心地よい熱気を感じずにはいられません。
しかし、キューバという国はリズムにあふれた土地ですね。去年・一昨年あたりのキューバ音楽ブームが今でも続いているのかどうか、流行の先端から遠く離れた場所に住む私にはよくわかりませんが、ブームのおかげでさまざまなキューバ音楽を聴く機会を持てて、私はとても満足してます。ホントはもっと深く学習すべく、満足している場合じゃないのかもしれませんが、「音楽は広く浅く」をモットーに日夜のほほんと生きている私にはこの程度で充分です。そしてこの程度の知識しかなくても「いろんな音楽に詳しいんですね」などと真顔で言って下さる人もいますから、私のようなインテリはもう少し世の中をなめきって生きていってもいいものなのかもしれませんね♪とか書くと(ごく少数ですが)本気にする人もいたりするので、やっぱり世の中をなめて生きるのはやめておくことにします。
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