お盆が明け、台風が過ぎ、だんだんと涼しくなってきました。もちろんまだ全然涼しくない地域もあるでしょうけど、うちの周りでは夜になると鈴虫が鳴くほどに秋の気配が色濃くなってきています。そういうわけでだんだんコテコテのラテンを聴くには向かない季節に近づきつつありますが、今回紹介するニューエイジ系フォルクローレなんかはその素朴感がなかなか心地いいので、秋に聴いても全く違和感がありません。もちろん暑いときに聴いてもいいですけどね。

 アルバムの名義になっているセギというのは一見南米の人っぽい名前ですが、サンポーニャ奏者の瀬木貴将さんのことです。瀬木さんはバリバリの日本人ですが、中学生の頃からサンポーニャの魅力にとりつかれ、その熱が高じてボリビアまで渡ってかの地で4枚のアルバムを制作してしまったという人です(しかも現地のチャートで1位を獲得したこともあるとか)。その後帰国し、国内制作版のアルバムを何枚も発表しています。ちなみにサンポーニャという楽器は、葦の茎を横に並べただけの非常に単純な楽器で、しかしその音色はとても素朴で暖かいです。

 この「フォレスト・レイン」というアルバムは、3年前に発売された作品です。たぶん国内制作版としては4枚目とかそのくらいに当たる作品だと思います。今年は新作も出たし、去年あたりにベストアルバムも発売されていますから、できればそっちを買った方がいいかもしれませんが、私はこれしか持っていない(国内盤は値段が高いのでなかなか買えんのです)ので、これを紹介しておきます。だからと言って渋々紹介しているわけではもちろんなく、サイモン&ガーファンクルの『アメリカ』が収録されてたり、ギタリストとしてトニーニョ・オルタが参加していたりと、非常に聴き応えのある作品となっています。

 このアルバムに収録されている曲は、前述の『アメリカ』を除いて、全て瀬木さんのオリジナルとなっています。どの曲も素朴でゆったりとした、たぶん癒し系といわれる類の音楽なのですが、純粋のフォルクローレとは違い、かなりコンテンポラリーな感じがします。というわけで純粋なフォルクローレファンには物足りないとは思いますが、私のように広く浅くあちこち食い逃げしている音楽リスナーにはなかなかしっくりくる音楽であり、非常にストレスフルな会社生活から戻った自宅で聴くにはまさにぴったりの音楽かもしれません。そういえば彼の曲は以前ビールのCMに使われていたと思うので、ビールを飲みながらほっと一息ついてみるのもいいかもしれないですね。私はあまりビールは飲まないので(特に国産は)、この辺は非常にテキトーに書いているんですけどね。