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先週は侘び寂びな風情がないこともないライヒの新作を紹介してみましたが、実際の生活では侘びたり寂びたりばかりもしていられません。どんな寒い朝でも布団から出て会社という戦場へ飛び出して行かねばならんのです。あぁ、資本主義ってイヤですね。次に生まれてくるときは労働者じゃなくて資本家に生まれてくることにしよう。などと思ってみたりもしますが、たいていは朝からそんな輪廻後のことなど考えている余裕はなく、さっさと自分に渇を入れなくてはいけません。そういうときには眠気もぶっ飛ぶくらいファンキーな音楽を聴くに限る!ということで、今回はパット・マルティーノの初リーダー作を紹介します。
パット・マルティーノは1960年代からジャズやフュージョンの世界で活躍する名ギタリストです。彼の紡ぎ出す、思索的でありながら親しみやすくて暖かいサウンドは、非常に心地よいです。一時期、病気療養かなにかで第一線を離れていたようですが、現在も精力的に活躍を続けているようであり、レコード会社の宣伝文句によると、すでに『伝説的』なギタリストなのだそうです。それが言い過ぎかどうかはおいておくにしても、確かにどんな曲を演奏してもそこに「パット・マルティーノらしさ」を加味することができる名プレイヤーです。
このアルバムは、彼がまだ22歳だった1967年に、昔からの友人ミュージシャンや、同じボスの下で演奏していた仲間と一緒に作った作品です。オルガンを前面に押し出したファンキーなグルーヴに、パットのギターやフルートがブルージーな雰囲気を加え、さらにボンゴやコンガでラテンなムードも醸し出すという、なんだかすごく『濃いぃ』作品に仕上がっています。また収録されている7曲のうち、5曲がパットのオリジナルである点からしても、このバンドのディープなノリが余すところなく引き出されていると思います。
ちなみにこのアルバムは「DJ's Choice」というシリーズで復刻された作品のひとつです。このシリーズは日本を代表するDJの方々がセレクトしたアルバムを発売するというものであり、このアルバムは元ピチカート・ファイブの小西康陽さんが選んだものなのだそうです。個人的には、この作品で聴ける音楽はピチカートのサウンドほどお洒落だとは思わないのですが、しかしこの作品を選ぶというのは非常にセンスがいいなあ、と思います。ちなみに他のDJの方々も含めると、カル・ティジャーとか、デイブ・パイクとか、ゲイリー・バーツといった通好みのミュージシャンが多く選ばれていますから、このシリーズをたっぷり聴いてクラブなどに出掛けていけば、ちょっとは見栄を張れるかもしれません。私は「おうちでクラブジャズ派」なのでそんな見栄を張る必要もないんですけど、そしてたぶんクラブに行ったらドレスコードで引っかかって中に入れてもらえないと思われる格好をしているのでその点でもやっぱり関係ないんですけどね。でもいつかクラブデビューした暁には、思いっきり慇懃に見栄を張ってやろうかと思っています。
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