今週はバレンタイン・デーが控えた週ということもあり、とってもロマンティックなアルバムを紹介しようかと思ったんですが、そんな世間の流れにのってしまうようでは生粋のひねくれ者として名高い筆者の名折れだと考え直し、あえて「ロマンティックとは最もほど遠いと思われるジャケット写真」を誇る、ラムゼイ・ルイスのこのアルバムを紹介することにしました。

 ラムゼイ・ルイスは、このサイトでは何回も紹介しているファンキー・ピアノの名手です。1960年代からちょっとポップスにひよった感じのジャズを演奏してきた人で、そのせいで営業的には大ヒットを連発していたにもかかわらず、ジャズ界での評価は今ひとつという人物です。でもとにかく彼の音楽はノリがよく、売れるためなら何でもやってしまう(ように見える。真偽の程は不明)その節操のなさのおかげで、私のような半端なジャズリスナーにはとても魅力的なミュージシャンだったりします。

 この作品は、そんな彼がアース・ウィンド・アンド・ファイア(以下EW&F)と手を組んで作り上げたフュージョンの名アルバムです。もともとEW&Fのモーリス・ホワイトは1960年代後半にラムゼイ・ルイスのバンドのドラマーを勤めていたこともあり、彼が独立してEW&Fを立ち上げてからも交流を続け、このアルバムが出来たようです。1970年代には、このアルバム以外にも彼にはEW&Fファミリーとの多くのコラボレーション作品がありますが、このアルバムと『太陽の女神』(こちらのジャケット写真もなかなかすごい)あたりが最も有名だと思われます。ファンキーなフュージョンを聴いてみたいという人は是非試して欲しい1枚です。

 このアルバムは、全体を通して「ファンキー汁溢れる佳作」と言えますが、中でもタイトル曲の『サロンゴ』のかっこよさは際立ってます。ちなみに「サロンゴ」とは、アフリカ・ザイールの言葉で「We come together to create something beautiful out of love」(愛から美しいものを作り出すために和解する)を意味するんだそうです。その美しいものというのがこのジャケットのラムゼイのアフリカンなメイクなのかどうかは不明ですが、でもいい言葉ですね。しかも言葉の意味的にはバレンタインにぴったりですし。しかしなあ、ひねくれて選んだはずのアルバムが、タイトル的には最もバレンタインにふさわしい作品だったとはね。ううむ、侮れないぜ、ラムゼイ・ルイス。