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今朝起きたら、新年があけちゃってました。なんだー、21世紀の幕開けったってなんてことないな、普通の冬の日と大して違わないじゃん。と思ってましたが、おもちを食べたり田作りや伊達巻きといったおせち料理を食べてたら、ん〜、日本の正月だね、という気分になってきたので、この『日本の正月』気分をさらに盛り上げるCDを紹介することにしました。
林英哲は、和太鼓奏者としてはきっと世界で一番有名な人だと思います。佐渡の『鬼太鼓座』(おんでこざ、と読みます)の71年の創設時からのメンバーとして10年間活動した後、『鼓童』の創設と初期の演出を担当し、その後世界初のソロ和太鼓プレイヤーとして活動を始めます。ソロになってからはカーネギーホールをはじめとする世界中のコンサートホールで演奏し、今までの和太鼓の世界にはなかった独自の奏法やテクニックで高い評価を得ているんだそうです。私は普段和太鼓を聴かないので、どの辺が独自の奏法なのか全然違いがわからないんですが、それでも彼の演奏が普通ではなく、その迫力と緊張感が尋常ではないことは容易に理解できます。特に演奏している彼の姿といったらそれはもう神々しく、カリスマという言葉は林英哲のような人間のためにあるのだな、と思わずにはいられないほど感動させられたのでした。
このアルバムは「千年の寡黙 2000」というタイトルでベルリンにて演奏された『組曲・月山』を収録したものです。津軽民謡に種田山頭火の句を乗せて歌う「ホーハイ節」に始まり、四季の変遷をさまざまな太鼓を使って表現しています。彼の音楽の素晴らしいところは、東京だろうがベルリンだろうがどこへ行っても全く変わらないものであるという点です。決して聴衆に媚びることなく真摯な音を追求し、それを私たちに正面から提示してくれます。彼の叩く太鼓の音色を聴いていると、自分の文化をしっかり見据えて理解すること、さらにはそうすることでどこへ行っても自分を見失わないということこそが本当のグローバリズムというものなのではなかろうか、などということを考えさせられたりもして、そういう意味では21世紀を生きていく上での重要な示唆を与えてくれるアルバムなのかもしれません。
などと話がどんどん大きな方へ広がっていっちゃいましたが、でもホント、このアルバムから感じられる林英哲の精神性にはとにかく感動させられました。これほどまでに大きなスケールで日本の伝統を表現してくれる音楽を聴きながら、同時に世界でも通用する生き方について考え、そして日本に生まれた幸せをかみしめつつ新世紀を迎えるというのも、ある意味では『非常に値上がりしたエコノミーのチケットを握りしめてハワイなんぞにまで行って芸能人などを眺めつつはしゃぎながら迎える正月』よりもかなりゴージャスなお正月だと思うんですが、いかがなもんでございましょうか。
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