北海道を除くほとんどの地域で梅雨に入ったようです。雨降りの日が続いてうんざりする季節ではありますが、逆に考えると週末に晴れたりすると必要以上に嬉しかったりするのもこの時期ならではといえましょう。そんな貴重な晴れた日に聴きたい音楽について0.3秒ほど熟考してみた結果、個人的にはこの『シェガンサ』がよかろうということになり、紹介してしまうことにしました。

 ワルター・ワンダレイは、ボサノバでは珍しいオルガン奏者です。オルガンといったら泥臭かったり下品だったりしてボサノバとは合いそうにないと思うかもしれませんが、彼のオルガンは非常に軽くて洗練されていて、ソウル・ジャズのそれとは違う楽器のように聞こえるほどです。それは彼が元々はジャズ・ピアニストだったということも関係しているのかもしれませんが、とにかく粘り気のないさらっとしたオルガン・サウンドを楽しむことが出来ます。

 この『シェガンサ』というアルバムは、彼のレギュラー・トリオにパーカッションを加えた4人で演奏されたものです。演奏しているのはタイトル曲になったエドゥ・ロボの名曲や「おいしい水」などのボサノバの名曲に加え、映画『男と女』のテーマ曲などといった渋めのポピュラー音楽なども収録されています。そうそう、『ヒアズ・ザット・レイニー・デイ』のボッサ・バージョンも収録されているのでそういう意味ではこの時期に特に向いているかもしれません。ちなみにこの曲を含む数曲は、オルガンではなくピアノで演奏されています。

 ちなみにこのアルバムも、先週に引き続きクリード・テイラーがプロデュースした作品です。この頃のクリード・テイラーといったら、つ●くとかいう日本の大人気プロデューサーが鼻くそ程度に霞んで見えてしまうほどに、ありとあらゆるボサノバの名作にクレジットされています。しまいには自分の名前から取ったCTIというレーベルまで立ち上げて大成功するんですが(この「自分の名前を前面に押し出したがる」というのはむしろコムロくんに近いか?)、ボサノバの初心者にとってみればこの『プロデューサーで選ぶ』というのは間違いの少ない買い方であり、意外にオススメかもしれません。クリード・テイラーの手のひらの上で遊ばれてるような気もしてちょっとむかつきますけど(それは俺だけか?)、私のように「お金はないけどボサノバは聴きたい」という人は、こういう買い方も是非参考にしてみてはいかがでしょうか。