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最近ようやっと春らしいうららかな日が続き、ドライブするのに楽しい季節になってきたと実感できるようになりました。このところの晴れた昼間のドライビン・ミュージックはフィリッパ・ジョルダーノがお気に入りなのですが、夜はこんなのを聴きながらってのも渋くてナルシシズムに浸れるな、と思っているのが今回紹介するミシェル・カミロとトマティートの『スペイン』というアルバムです。
ミシェル・カミロはドミニカ共和国出身のラテン・ジャズ・ピアニストです。1970年代末期にニューヨークに出て、サルサやラテン・ジャズやフュージョンのバンドで頭角を現し、その後はクラシックの方でも活躍し、現在最も注目されているラテン・ジャズ・ピアノの1人です。トマティートは、スペイン出身のフラメンコ・ギタリストです。ギターのテクニックも素晴らしいですが、ビジュアルもエキゾチックでなかなかいいらしいです(僕は見たことがないし、ヤローのルックスなんて興味もないけど)。そんなジャズとフラメンコが大西洋を挟んで融合し、生まれた音楽がこの『スペイン』なのです。
このアルバムは、まず最初にホアキン・ロドリーゴのアランフェス協奏曲を使った「スペイン・イントロ」からチック・コリアの名スタンダード「スペイン」へと続き、さらにラテンの名曲「ベサメ・ムーチョ」へと流れていくあまりに官能的で美しいメロディ(しかし甘すぎないのがこれまたすごい)に、背筋がぞくぞくっとさせられます。その後のトマティートのオリジナルもいいんですが、ミシェル・カミロのオリジナルである「Two
Much / Love Theme」は、思わず昔の恋愛を思い出して涙してしまうほどの名曲です。これはホントに繊細で美しい曲で、ラテン特有のロマンティシズムをとても見事に表現しています。この曲を聴いて心の琴線を弾かれない女性は僕の前に現れるな、そしてそのままひっそりと死んでしまえと思ったりはしないけど、何も感じない人はたぶんつまらない感性の持ち主だろうなと思ったりはしています。男性女性を問わずにね。
このアルバムはジャケットもなかなか味があって気に入っているんですが、中に使われている写真はデジカメで撮影したと思われる、極めて解像度の低い荒れた写真なんですよね。アート・ディレクターがわざわざ狙ってこういう写真を使ったのかもしれないけど、これってどうなんだろう? このアルバムに唯一文句を付けるとしたらそこだな、と思ってるけど、時代はこういうのを求めてるのかな。そこがわからないし不思議なんだけど、僕は基本的にはポストモダンなデザインの良さがわからない反動主義的・超保守派人間(あくまでデザインを見る目がということ)なので、わからないものにこれ以上文句を付けるのはこの辺でやめておきます。
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