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私が住んでいる北アルプスの麓の高原地帯は、この時期の昼間はなかなか暑いんですが、湿度がないために夜になるとぐっと涼しくなります。そういうわけで昼間会社で働いているときには「ボサノバでも聴きたいなあ」と思うのですが、自宅に戻ってくる頃にはちょっとファンキー気味なハードバップが結構しっくり感じられたりするわけで、今週はその中でもスタンダードばかりを収録した、初心者にはとっても聴きやすいソニー・クラークの名盤を紹介することにします。
ソニー・クラークは、ハード・バップ期に活躍したファンキー系ピアニストで、特に日本で絶大な人気を誇っています。スウィンギーで口当たりがよく、それと同時にファンキーで躍動感に溢れつつも、ひとつひとつの音は結構ねちっこくて、その辺の絶妙なバランスが彼の一番の持ち味だと思います。ハマルとなかなか抜けられない、そんなタイプの魅力ですね。長生きしていたらアメリカでも人気が出たかもしれませんが、ヘロインの過剰摂取が原因で31歳の若さで他界してしまいました。蛇足ですが、ビル・エバンスは彼のドラッグ友達(と言っていいのか?)だったのだそうです。
このアルバムは、親しみやすいスタンダードばかりが収録されており、またそういう曲達がいかにもジャズという感じで演奏されていて、リラックスして聴くことが出来る作品に仕上がっています。このアルバムで特に有名な演奏は『朝日のようにさわやかに』で、ここで聴くことが出来る彼の哀愁漂うピアノの音は、タイトルのような爽やかさは微塵もなく、どちらかというと夕日を見ているときに感じられるようなとてもセンチメンタルな気分になってきたりします。また個人的にはその後に聴くことが出来る『I'll
Remember April』でのソロピアノがとても美しくて、かなり好きだったりしています。その他の曲も、ジャズ初心者でも肩の力を抜いて気軽に楽しめる類の演奏で、こんなアルバムを聴きながら親しい友人と語り合いたい気持ちにさせてくれます。
というわけで、今週もハードバップの名盤を紹介してしまいました。いつもこのコーナーではジャズ以外のアルバムを多数紹介していましたが、これで実はジャズもちょっとは聴いているらしい、ということを多くの方々にご理解いただけたものと思います。来週紹介するアルバムはまだ決めていませんが、ここはひとつ念を押してもう1枚ジャズを紹介しようか、それともそろそろあまのじゃくぶりを存分に発揮しようか、軽く思案に暮れています。ジャズサイト運営者としては思案に暮れるべきではないのかもしれませんが。
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