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流行に乗るのが嫌いだと主張しておきながら、流行の周りをうろうろしたがる私の最近のお気に入りは、ラテン・ジャズです。バリバリのラテン音楽じゃないあたりがワタシ的にはポイントだったりするんですが、そんなワタシにとって、サブーのこのアルバムは入門編としてぴったりでした。
サブー・マルチネスは、50年代に活躍したアフロ・キューバンなパーカッショニストです。もともとは11歳の頃からラテン・バンドで演奏するミュージシャンだったんですが、チャノ・ポゾというキューバのパーカッショニスト(ディジー・ガレスピーと一緒に「マンテカ」を作った人です)に傾倒し、そこからジャズの世界に入っていったようです。そのチャノ・ポゾが他界したあと、ディジー・ガレスピーのバンドでパーカッショニストとして活躍し、それ以降、チャーリー・パーカーやセロニアス・モンクやアート・ブレイキーなどと共演し、ジャズについての理解を深めていったのでした。
このアルバムはそんな彼が、「サルサのゴッドファーザー」と言われたキューバ音楽界最高のギタリストであるアルセニオ・ロドリゲスをメンバーに迎え、ブルーノートに録音した一枚です。しかしこのアルバムには従来のブルーノートらしさなどは微塵もなく、パーカッションとボーカルの圧倒的にラテンな迫力は聴くもののソウルを縦に揺らします。そしてそれに絡むアルセニオ・ロドリゲスのギターがめちゃくちゃカッコいいっ! あるときは異常なまでにねちっこく、またあるときは何とも官能的なのだ(特に6曲目のギターソロの素晴らしさといったら!)。これを聴けば、アフロ・キューバン音楽の奥の深さがとてもよく理解できます。
このアルバムにはホントにハズレ曲がないんですが、その中でも私が最も興味をひかれた曲は、キューバの宗教的儀式の断片を再現している2曲目の「Billumba
- Palo Congo」です。まずギタリストのアルセニオがアフロ・キューバン宗派の言葉で説教し、それにグループに分かれた人達が呼応しているんですが、そんな会話のやりとりだけで、もうすっかりノリノリの音楽になっているんですよ。アメリカの黒人の多いキリスト教会でも説教は音楽だったりしたような記憶があるけど、会話のやりとりが既に音楽だなんて、やっぱりアフロ、やっぱり南米、と思わずにはいられません。「ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ」よりちょっと激しめなラテン音楽を楽しみたい人に、このアルバムは激オススメです。
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