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マニラに発つ前の最後のアルバム紹介は、アストル・ピアソラの伝説的なミラノでのライブを収録したこの2枚組を紹介します。「え〜、夏にピアソラなんて暑苦しくって聴けねえよ」と思ったあなた、気持ちはよくわかります。でも東京と比べたらもっと暑くて、しかも雨期のど真ん中だから湿度もめちゃめちゃ高いマニラに行く私の心境と比べたらそれは甘えというものです(ってそうなのか?)。というわけで、もうちょっとでマニラにいることになる(もしくは滞在中の)私の心境をたっぷりと味わってもらうべく、あえてこのアルバムを選んでみました。
あらためて書くまでもないことかもしれませんが、知らない方もいるかもしれないので、ちょっとだけ説明します。現代タンゴ界の異端でありながら巨匠であり、また20世紀を代表する音楽家の一人でもあるアストル・ピアソラは、アルゼンチンのバンドネオン奏者です。バンドネオンというのは遠目にはアコーディオンみたいに見える楽器で、タンゴの世界ではよく使われる楽器です。ここ数年は世界的に『ピアソラ・ブーム』とでも呼ぶべき人気で、日本でも彼の曲がドラマやCMに使われたりしています。
このアルバムは、彼のバンドの中でも最良の一つといわれている「キンテート・タンゴ・ヌエボ」を率いて、1984年にミラノ国立劇場で行われたライブを2枚のCDに収録したものです。以前、キップ・ハンラハンがプロデュースした彼の最晩年の名アルバム3部作の1枚を紹介した記憶があるんですが、それとは違ったライブ特有の緊張感がアルバム全体を通して漂っていて、その迫力には圧倒されます。また2枚目のアルバムの最後には日本で大人気の『リベルタンゴ』もボーナスで追加されていて(こちらはヴェローナで行われたライブで収録されたもの)、その辺でお得感を味わうこともできます。
上に張り付けた小さい写真じゃわからないと思いますが、このジャケットではピアソラが観客に向けて手を振っている写真が使われています。これが今の日本を発つ私の心境と重なっているのも、実はこのアルバムを選んだ理由の一つです。ってのは今とっさに思いついた理由なんですが、まあそう書いておくと何となくそれらしく見えてくるから、そういうことにしておきましょう。というわけで、しばらく更新できなくなりますが、今月中には復活予定でいますので、また時々覗きに来てください。よろしく。
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