3週続けてジャズっぽいボサノバのアルバムを紹介してきましたが、そしてあと2週間くらいそういうアルバムを紹介してやろうかと思ってましたが、そろそろ読んでる人も書いてる私も飽きてきたかと思うので、ここらでリラックスできるピアノトリオの好演アルバムを紹介してみます。

 ビル・エバンスは、私のサイトでもあちこちで紹介しているので詳しいことは書きませんが、白人ジャズピアニストの最高峰に位置する人物です。そのリリシズム溢れる演奏は、初心者にとって『モダン・ジャズ』の代名詞になっているほどで、このサイト宛に送っていただくいろんな方のメールを見ても、ビル・エバンスからジャズに入ったという人はかなりいるようです。かくいう私も初めて買ったジャズのアルバムはビル・エバンスだったんですけどね。そしてそこからどっぷりジャズにハマルことになったわけですけどね

 このアルバムは、彼の最初のトリオのベーシストだったスコット・ラファロが亡くなった1年半ほど後に録音されたものです。ドラムスは長年ビルと一緒にやってきたポール・モチアン(このアルバム以降は共演したアルバムがない)、ベースはラファロ亡き後に参加したゲイリー・ピーコック(キース・ジャレット・トリオでも有名)です。ビル・エバンスのアルバムとしてはリズミカルな曲が多く、また『サンタが街にやってくる』とか『リトル・ルル』といった、ポピュラーで親しみやすい曲がいくつか収録されています。そういう意味では内容的にシリアスすぎず、初心者でも楽しんで聴けるアルバムだと思います。

 先日発売になった彼の伝記(?)を読んでみたところ、このアルバムが収録された頃ってのはビル・エバンスはドラッグで大変な時期にあったようです。しばらく後のアルバムでは注射を打ちすぎたせいで指が数本麻痺していたとか、そういった状況だったらしいんですが、このアルバムを聴く限りはそういった印象は受けません。また本人はすごくシニカルでブラックユーモアが大好きだったらしいんですが、演奏からはそういった印象は感じられません。たまに『きれいな心の持ち主しかきれいな音を奏でられない』みたいなことをほざく人間がいますけど、実際には結構そんなことないんだろうなあ、と1960年代のビル・エバンスのアルバムを聴いていると思ってしまう私なのでした。