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1960年代前半にボサノバ路線で大ヒットしていたスタン・ゲッツが、久しぶりに吹き込んだストレート・アヘッドなジャズのアルバムが、この「スウィート・レイン」です。
好不調の波が激しいといわれるスタン・ゲッツですが、この頃のアルバムは、一連のボサノバの大ヒットにより経済的にも精神的にも潤っていたせいか、素晴らしい出来のものが多いです。でもあまりにたくさんの(似たような企画の)ボサノバ・アルバムを出しすぎたために、ちょっとしたマンネリズムにも陥っていました。そんなときに満を持して発表された、この久しぶりの「シリアスなジャズ・アルバム」は、多くの人に好評を持って迎えられたのでした。
このアルバムを特に素晴らしいものにしているのは、なんといっても当時新進ピアニストだったチック・コリアの存在が大きいです。それまでもインプロバイザーとしてのスタン・ゲッツには高い評価があったのですが、ここでチック・コリアが見せる「新主流派」的なアプローチにはスタン・ゲッツも大きな刺激を受けたらしく、今まで以上にモダンな演奏に仕上がっています。もともとクールな音色が特徴的なゲッツのサックスなんですが、チック・コリアの明るく爽やかなピアノの音色に刺激され、さらに涼しげに響いています。
スタン・ゲッツはチック・コリアの作曲家としての才能も高く評価しており、このアルバムでは彼の作った曲2つを演奏しています。1曲目の「リザ」は、テンポが途中で変化することで何ともいえない躍動感があり、とても好きです。それからもうひとつ、5曲目の「ウィンドウズ」も美しいメロディなんですが、なんか名前が気に入らないよなあ。ゲイツを思い出しちゃうので気分が良くねえんだよなあ。いや、まあいいんだけどね、そんなことはどうでも(笑)。それから「そうはいってもやっぱりボサノバのゲッツも聴きたいよなあ」という人のために、ジョビン作曲の「オ・グランジ・アモール」も収録されています。ボサノバの名作「ゲッツ・ジルベルト」にも収録されている曲ですが、ここではちょっと早めのテンポでさらに爽やかに演奏しています。これもインプロビゼーションがかっこいいので、オススメです。
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