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やっとちょびっとだけ涼しくなりました。ほんのかすかとはいえ、秋の気配も感じられるようになってきましたね。何となく寂しげな秋にはピアノトリオが良く似合います。というわけで、今週のオススメはケニー・ドリュー・トリオの名アルバムを紹介します。まだ暑いんでちょっとフライング感はありますけど(笑)。
このアルバムのリーダーでピアニストであるケニー・ドリューは、小さい頃からクラシック音楽を学んでいた影響からか、繊細なタッチと美しいメロディラインが特徴的です。特にアドリブ部分の演奏は素晴らしく、中でも1980年代に吹き込まれたアルバムは非常にロマンティックで、日本ですごく人気があるそうです。私は甘い感じがしすぎる音楽はあまり好きではないので、こんな書き方しか出来ませんが、うっとりするようなジャズが聴きたければ、その頃の彼のアルバムはかなりオススメできます。
このアルバムはそれよりもずっと前のハードバップ全盛期に作られた、アップテンポな曲の多いものです。当時マイルスのバンドでベースをしていたポール・チェンバースと、同じくマイルス・バンドでドラマーだったフィリー・ジョー・ジョーンズが参加し、パワフルな演奏をしているせいか、ここでのドリューの演奏もかなりファンキーな感じが強く出ています。後年のロマンティシズムはここではまだ溢れてきていませんが、美しいメロディラインはこの頃から健在でしたね。うっとりはできないかも知れませんが、躍動感のあるそのプレイは決して飽きることはありません。
このアルバムにはスタンダードが6曲、オリジナル2曲が収録されています。スタンダードでは「星に願いを」とか「イッツ・オンリー・ア・ペーパー・ムーン」といったいわゆる「かわいい感じの曲」も収録されていて、初心者(特に女性)にも聴きやすいと思います。渋くて力強い演奏が聴きたい人にも「キャラバン」とか自作の「ブルース・フォー・ニカ」などが用意されていて、特に「キャラバン」の強烈なドライブ感は聴いていてうきうきしてきます。とまあ、いろんな種類の曲、しかも演奏のレベルが高い曲がこのアルバム一枚で楽しめますから、非常にオールラウンドな出来といった感じがします。
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